ジャンプTOON

第3回ジャンプTOON AWARD タテマンガ新人大賞 結果発表

受賞作品

大賞 賞金100万円

ジャンプTOON連載確約&受賞作掲載確約

CLIP STUDIO PAINT EX 2デバイスプラン3年版

世界が勝手に終わってた

世界が勝手に終わってた

G!on

日本武道館での演奏を夢見るミュージシャンの響田ナキにとって親友と彼女と過ごす時間こそが心の拠り所だった。一緒にいて良かったと、夢を応援して良かったと2人に思ってもらうために、彼は夢へとひたすら邁進していたのだが...。

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

前半の日常の「良い話」から一転後半はガラッと変わって、私も主人公と同じように急に非日常に放り込まれた気持ちになりました。主人公ナキの彼女や親友への気持ちの掘り下げもよく伝わってきて感情移入出来ました。キャラクターの表情が上手く、特に怒りの表情が印象的でした。次回作も読みたいです。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

構成や演出、心理描写がとても良かったです!3つとも漫画の土台になる大事な要素なので、とても感心しました。特にクライマックスの曲と共にアクションが展開する演出はとても良かったです。あとは〝キャラの魅力〟にもっともっと気を配るだけです。漫画の構造上、濃いキャラにはし難い、という判断があったのかなと推察します。ですが、どんなに濃いキャラでも描き方次第で感情移入はできます。構成やコンセプトに囚われすぎず、もっとキャラの魅力に重点を置いてみてはいかがでしょうか。具体的に言えば、悟空やルフィの隣にいても〝変わらず、そいつらしい行動できそうなキャラ〟が濃いキャラです。
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

人間ドラマがしっかりしていて、テーマにも合っていました。「世界」というキーワードが前編にも後編にも機能してるのもグッド。表情と人体をしっかり描くぞという意識も感じられたので、さらに絵が上手くなりそう。モンスターが出る前フリがもう少しあっても良いかも?背景の書き込みが増えると絶望感がより増しそうです。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

ざらりとした感情をちゃんとかけるし、キャラデザのセンスも感じる。後編のこれで良いのだと言う展開の押し切り方も、作家としての良い意味でのエゴを感じる。ただ、この状況の提示に対して、最後にもうちょっとアイディアのある、もしくは説得力のある、主人公としての結末を用意できると良かったと思いました。

編集部講評

悩みのある人間の葛藤や怒りをしっかりと描けていて、強く感情移入ができる作品でした。また、1話目で描かれた小さな物語と2話目の壮大な世界の物語が対比構造になっており、読者の予想や期待を超えてくる構成力も見事でした。音楽がどのような形で怪獣に影響を与えているのか、読者にルールを明示できると、よりわかりやすく楽しむことができると思います。

準大賞 賞金50万円

ジャンプTOON連載確約&受賞作掲載確約

CLIP STUDIO PAINT EX 2デバイスプラン3年版

AI彼女

AI彼女

PAKI

人工知能技術が急速な発展を遂げた「大AI時代」。佐藤タケシは強硬なAI否定派だった。そんな彼のもとに現れたのは、少女の顔をした独立個体ロボット。AIを拒む少年とAI少女のデコボコ同居生活が幕を開ける...!

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

絵が上手すぎて上手すぎて最初からキャラクターの絵に心が持っていかれました。見せ方や表情も魅力的。ストーリーはこれからって感じなのでまだ分かりませんが、冒頭の掴みはオッケーだと思います!
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

女の子の絵がとても可愛くて良かったです!コマ構成も思い切りが良く、魅力的な絵を活かせていてとても感心しました。一方で、キャラの魅力を〝見た目〟以外で表現する事にもっと気を配るべきだと思いました。主人公の葛藤の天秤が、一方は変なシチュエーションに対する拒否感、もう一方は 「お金」というだけでは勿体無いです。〝読みながら体感できる欲望〟が必要です。どうしようもないくらい可愛いキャラによるどうしようもなくなりそうな誘惑があれば、読者も一緒に葛藤できると思います。見た目以外の要素で欲望を作れたら、いま以上に多くの読者に刺さると思います。
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

絵がものすごく上手くて可愛い。冒頭のツカミからの本編の流れが素晴らしく、読み終わった時「続きは!?」と気になりまくりました。ちょっと既存の作品に絵が似てるかな?と思った箇所もありましたが、細かい表情や演出も全て抜かりなく、とても面白かったです。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

掴みはオーケー、いろんなキャラクターが可愛く描かれている、キャラデザインもいい、高レベルでまとまっている才能だと感じました。読者に興味を持たせるアイディアを提供するエンタメ心、大切にしてください。

編集部講評

冒頭、可愛くて精緻な絵が見事で、一瞬で惹き込まれました。読者を釘付けにできる素晴らしいつかみだったと思います。一方で、ヒロインがAIである、という設定は読者にとって絶妙に嬉しくなりきれないので、AIだからこその嬉しさが提示できるとより完成度の高い作品になるでしょう。

門番“ギルさん”

門番“ギルさん”

玄途 顕

とある城門の門番ギルさんは常に無表情。口数も少なく、思考が読めない。そんなギルさんをどうにか笑わせようと立ち上がったのは王姫メルメだった。絶対に笑わないギルさんと、絶対に笑わせたいメルメの奇妙な戦いが始まる...!

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

クスッと笑えて何だか幸せになるストーリーでした。オチは想像できるのですが、それまでのナレーションの面白さであったり、姫様のキャラクターであったりと楽しく読めました。1つだけわがままを言わせていただくなら、ギルさんの門番としての強いところが見たかったです。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

絵も上手く、内容も端的かつインパクトがあって良かったです!ギャグそのものは読み手の好みに委ねられるところがありますが、本作は主人公2人がとてもいいキャラなので、最後まで楽しく読むことができて感心しました。個人的にはギャグが単調に感じたので、もっと球種が多いか展開がエスカレートしていく方が好みではあります。ですがギャグはセンスなので「そここそがいいんじゃない!」と思うなら、ご自身の感性を信じ切った方がいいと思います。(ギャグに限らず)どこかに予想を裏切る展開、シーンが欲しかったのも正直なところです。でもキャラが可愛かったのでオールオッケーです!
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

セリフとエピソードが端的で、キャラデザの分かりやすさも相まって冒頭の数ページで主人公を好きになれた。登場人物の数を絞っている点も読みやすく、主人公と姫様のバトルに集中できました。主人公の人となりや過去を掘り下げたら、いくらでもエピソードが作れそうですね。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

主人公のキャラクターを軸に話を回す。その基本がしっかりとできている。これはこれで完成形。主人公の「ヒーロー性」を高める展開は、もう少し欲しかったです。また、このキャラクターの絵のクセは、ちょっと読者を選びそう。女性キャラクターだけはもっと一般的な可愛さ、色気に寄せても良いかと思います。

編集部講評

思わず笑ってしまうようなキャラ感とコメディセンスのある作品で、画面を存分に使った変顔もインパクト大でした。「ギルさんはなぜ笑わないのか」や「ギルさんと姫の関係性」など、それぞれのキャラクターを更に深堀ることができれば、よりのめり込める作品になるはずです。

死体の隣で朝食を

死体の隣で朝食を

綿渡

隣人は人を殺しているかもしれない。あるマンションに住む青年の竜見怜央はそう感じずにはいられなかった。血まみれの服、鉄の臭い、死体が入っているかもしれないゴミ袋...。不穏な陰がつきまとうミステリーホラー!

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

とてもスリリングなお話で面白く読めました。ひきが上手く、どんどん読んでしまいます。可愛い絵と、怖い話のギャップがとても良かったです。事情聴取されるシーンで、何故彼のことを警察に言わなかったのか少し引っかかりました。言えなかった理由をもう少し納得できるよう描けたらもっとこの話に説得力が出たと思います。例えば主人公が社会的に信用されないような立場だったりとか、過去に証拠が無いけど通報したらえらい目に遭ったとか、何か弱みを握られているとか。展開がとても上手いので、ここらへんの説得力を持たせてくれたらさらに面白くなると思います。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

二転三転する展開が良かったです!意外性は漫画表現においてとても重要なので、そこに重点を置いている姿勢にとても感心しました。一方で、状況や題材に対するリアリティにはもっと気を配るべきだと感じます。意外性やケレン味を引き立たせる為にも、周辺の設定や描写はむしろ地に足のついたものにした方がいいと思います。緊張感が増すからです。サスペンスで読者を惹き続けるには、緊張感と興味の持続が大事です。興味の持続はキャラクターで、緊張感の持続はリアリティとケレン味のメリハリを意識してはいかがでしょうか。
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

隣人の、怪しくも美少年な危うい雰囲気に引き込まれました。最後までキャラがブレてなくて素敵。主人公の行動も「わかる!そりゃそうするわ」と納得感があったので気持ちが離れずに読めました。キャラ達のバックボーンがもう少し見えてもよかったかも?いや蛇足かしら…。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

一話一話、これで目を引くぜ!という意識、作家性は素晴らしい!シンプルにコマ間を少し空けたり、台詞のやり取りに優先順位をつけたり、リーダビリティ(読みやすさ)の向上に、今後力を割いてほしい。読者に一番伝えたい!という台詞が何なのか?ヨコマンガだと「見開き」にそれを置きますが、タテマンガはより情報の整理が必要です。

編集部講評

エピソードの上げ下げが上手く、盛り上がりをテンポよく感じることができました。短い作中で、不穏なホラーを演出し、作品の狙っている雰囲気を上手く表現できていたと思います。少年をどのような殺人鬼に見せるのか、カリスマなのか可愛さなのか、キャラ見せによりこだわってみてください。

童子

童子

寺田晶

人間が嫌いです──。鬼であるすずめは人間を理解不能な存在として忌み嫌っていた。そんな彼の前に現れた少女みゆき。彼女は他の人間とは違っていた。みゆきをもっと知りたい。彼女と出会い、すずめは徐々に変わっていく...。

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

絵がとても個性的で独自の世界観があり、かつ話はド王道でかなり面白かったです。話は残酷なのに、時折クスッと笑えるシーンがあって癖になります。そして台詞選びにセンスを感じました。キャラクターを理解しているからこそこの台詞が出るんだなと感心しました。この方の次回作が気になります。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

個性をしっかり表現できていて良かったです!とても勇敢な事だと思うし、とてもとても大事な事だと思います。感心しました。作劇には現状まだまだ荒削りな部分もありますが、今は気にせず、個性の良い部分を伸ばしていく事にだけ集中すべきだと感じました。作劇の完成度や構成力は〝防御力〟であり、キャラや個性は〝得点力〟です。商業の世界ではこの〝得点力〟こそがものを言います。ただ、個性を無作為に磨いても得点力にはなりません。個性の魅力が他人にも理解できて初めて得点になります。その為にも、作品を他人に見てもらう機会をたくさん増やすと良いと思います。
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

絵に良いクセがあるので、この方向のまま上達していって欲しいです。バトル描写、スピード感がすごいしタメからの解放も気持ちよかったです。主人公の不器用さが設定とも噛み合っています。ヒロインと母親との関係性をもう一歩踏み込んで描写したら尚よかったと感じました。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

自分は他人と違うものを描くんだ!という姿勢は好ましく思いました。ただ、人間のデフォルメのクセが強すぎる印象です。「普通」をちゃんとかけてこその「異形」。そこは計算もって、自分の作家性を読者にプロデュースしてほしい。

編集部講評

アクションのダイナミックさに唯一無二のセンスを感じました。また、キャラクターを作者本人が理解できているからこその、味のあるセリフ選びも見事だったと思います。広く受け入れられるような絵柄を意識して、その中でオリジナリティーが出せると、読者に親しみのあるキャラが作れるはずです。

佳作 賞金20万円

「ジャンプTOON」で受賞作掲載確約

CLIP STUDIO PAINT EX 2デバイスプラン1年版

魔物の子の育て方

魔物の子の育て方

KIMEN

パスカルにとって娘のエレンこそが生きがいだった。しかし、そんなエレンは彼が狩りに出かけている間に魔物に殺されてしまう。「穢れた魔物を永遠に呪う!!」怒りに震えたパスカルの復讐が始まる...!

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

主人公の葛藤する様がとても面白く、これからどうなっていくのか気になります。絵はとても見易くて良いです。ただ主人公のキャラクターがもう少し存在感があっても良かったと思います。どんな人物なのか、造形や表情など、主人公に魅力をつけたほうが、後半でさらに輝くと思いました。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

設定がとても良かったです!ワクワクしました。いいワクワクは希望と破滅の両方を等しく予感させるものですが、それが出来ている事にとても感心しました。コンセプトがはっきりしている一方で、それを肉付けるための細部がやや雑に感じました。勿体無いです。デザインやお膳立て、心理的な導線は本題に比べれば細部に感じる事もありますが、おざなりだと作品に対する読み手の真剣さも減ります。真剣さが低いまま読まれては、どんな悲劇でもカタルシスにはなりません。良いコンセプトを読者の心に響かせる為にも、細部の描写にこそ気を配ってみて下さい。この先が楽しみな漫画でした!
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

子供が可愛い。その可愛さが前フリとしてバッチリ活きてます。間の演出が得意な作家だと思いました。特に主人公が修羅と化して葬式の場に登場するシーン。画角の演出が素晴らしく思わず声が出ました。ラスト、マナハートを狙う者達のおかげで縦軸と対立が見えてワクワクしました。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

今回のエンディングを踏まえて、主人公がどう振舞うかが、見たかった!ヒーロー性描ける、ドラマチックな展開も出来そうな企画だと思うので、その美味しいところを提示してほしいです。

編集部講評

主人公の憎しみ、困惑、怒りに読者が共感できる作りになっていて、ストーリー作りに力を感じました。また、その感情に合った色使いができている点も素晴らしいです。読者に好かれるようなキャラクター作りができるとより魅力的な作品になると思います。

のろわれ上手のやおよろず

のろわれ上手のやおよろず

KYAN-DOG

オカルト好きの阿僧祇茶太郎はひょんなことから脱力系ギャルの八百円・万舞子とオカルト研究をする羽目に。しかし彼女たちは超常現象にも動じず、呪いはまったく効かなくて...!?ドタバタオカルトコメディ開幕!

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

画力が高くてキャラクターの掛け合いも面白くて楽しく読めました。事象に対してキャラクターがちゃんと反応してくれるので気持ちいいです。ギャル2人と主人公の友情が少しずつ育まれているところもほのぼのしました。続きがあれば読みたいです。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

作者のキャラを楽しんでいる姿勢が良かったです!セリフや描写から作者が楽しんでいる様が伝わると、読んでいるこちらも楽しくなるので、とてもいい読後感でした。感覚的な事のようですが、漫画にとってとてもとても大事な要素だと思います。一方で、オリジナリティにもっと気を配るべきだと感じます。はちゃめちゃなようでいて設定や個々の描写には既視感があり、せっかくの元気で無軌道な題材にとって勿体無いと感じました。作品全体が、ギャル二人の魅力を見せる事に特化していてとてもいいと思いました!
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

ツカミ良いですね。掛け合いも良き。なるほどギャルの無敵っぷりを楽しむ漫画なのね〜とのほほんと読んでたら、まさか1話目のフリが3話目のミイラに繋がってくるとは…!キャラデザや表情、キャラの肉感にも癖を感じられたので、その部分を大事にしていって欲しいです。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

独特の掛け合いのセンスにやられました。ギャルの魅力が強い、どちらかというと「女性キャラクター」を回すのが作家の武器かもしれません。なので、その強みを生かした企画を模索するのもアリです。

編集部講評

ギャル2人の掛け合いのテンポが良く、サクサク読み進めることができました。また、リアクション役の主人公のキャラもよく立ってたと思います。だからこそ、3人のキャラクターが物語を通してどんな活躍をしてくれるのかをもう少し見たかったです。

最終候補 賞金10万円

君と乱世をもう一度

君と乱世をもう一度

おうみ尚

時は戦国時代。幽霊となった落ち武者の弦嗣は復讐に燃えていた。かつて自分を死に追いやった光信を殺すのだと。時を同じくして、村人のすみれも殺された父と兄の無念を晴らすべく、光信の殺害を企てていて...。

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

キャラクターの造形が上手で、着物や甲冑などをちゃんと描いているところに好感が持てます。縦読み漫画としてもスッキリ読みやすい画面作りになっています。惜しいなと思ったのはキャラクターが薄いことです。設定を説明するためだけの台詞がちょこちょこあり、主人公の感情が見えません。侍を嫌いな主人公ならどういう行動をとるか、もう少し主人公らしさが出ると良いなと思いました。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

キャラ絵が魅力的でした!設定もワクワクがあって良かったです。属人的な設定だけではなく関係性でキャラの魅力を組み立てる構成にとても感心しました。キャラメイクにおいて大事な姿勢だと思います。一方で心理や状況のリアリティにはもっと気を配るべきだと感じます。リアリティによって作品世界の説得力が増せば、読者にとってキャラやチュエーションがより切実になり、結果としてカタルシスも増します。〝幽霊と孤児〟というファンタジックな関係性でも、彼彼女らを追い込む環境や、そこで交わされる心の動き自体はリアルであるべきです。心理ドラマを中心にしている姿勢はとても良かったです!
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

冒頭、キャラに感情移入できないまま始まった感があったが、掛け合いが進むと好きになれました。特にデフォルメの時のヒロインのジト目がかわいい。ラストに弟の活躍&修行シーンの伏線回収があったのが良いオチ。バトルシーンに躍動感がプラスされるとよりハラハラできそうです。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

手堅い作画、丁寧な物語づくり、基本が出来ていると思います。読者の目を引く「閾値を超えた何か」を、どこから出すのか、それを探してほしいです。読者に手に取ってもらう、という視点は必要です。

編集部講評

シナリオがしっかりと組まれていて、構成力の高さが窺えました。また、作画にも安定感を感じました。キャラクターの作り方やバトルの演出に作家さんのオリジナリティーが出ると作品としての完成度が上がると思います。

ヘルピング・アームズ

ヘルピング・アームズ

いしびつゆう

包帯を自在に操る能力を持った高校生・友切隼人は人目を忍んでヒーローとして人助けをしていた。そんな中、巷では彼と同じ能力を持った「黒包帯男」と呼ばれる存在が話題に。やがて2人は相見えることに...。

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

絵がアメコミぽさもありお洒落で上手いです。お話はヒーローとダークヒーローがそれぞれ大切な人を失っていて過去話として出るのですが、哀✕哀で少し暗くなってしまった印象です。行動の動機としては分かるのですが、それよりも個人的には主人公キャラの格好いい部分やポジティブなシーンがもっと見たいです。そしてラストのダークヒーローへの説得ですが、光くんに言わせたほうが光くんの「ヒーローの心を体現している」ということに説得力が出ると思います。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

絵が魅力的かつ見易くて、とてもレベルが高いと感じました!縦読みを意識した演出も良かったです。一方で特異な設定と作劇がうまく噛み合ってない、とも感じました。せっかくの特異な設定やキャラをもっと詳しく見たかったです。起承転結的な作劇に拘り過ぎてはいないでしょうか。一人の人物を掘り下げるだけでも作劇は出来ます。作劇とはつまるところ、キャラクターの様々な面(魅力)を見せるための外部刺激だからです。キャラクターの葛藤とそこから導き出される決断があれば作劇になります(読み物として〝読者の興味の持続〟は絶対に必要ですが)。もっとシンプルな構成にしたら、魅力が活かされると思います!
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

絵がポップで楽しい。キャラ配置もシンプルで、サクサクと読めました。止め絵のポージングや表情も良い。主人公が自分の過去を自ら喋り出したのが勿体なく感じました。構成を少し変えて読者が察する感じにするとか、例えば視点役のキャラが昔の新聞記事を読んだりして知る…みたいな方法を取ると良いかも。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

「ヒーローもの」という企画を過不足無く描けていると思います。そのベースはありつつも、先行作品に比べて、ここがオリジナリティだ!という企みが見られたら嬉しかったです。

編集部講評

アメコミ的なデザイン、コマ割り、構図が目を引き、動きのある画面作りを演出しようとしている点が見事でした。主人公と友人の関係性の掘り下げや能力と世界観の具体的な説明などにもう少しこだわってみてください。

ビートビースト

ビートビースト

朱乃源時

いじめられっ子の高校生・童総一。彼にはいじめっ子達へ怒りをぶつける度胸はなく、独り言を言いながら帰るのが日課だった。そんな中、日本の大人気ラッパー・ニトロボーイがこの街にやってくるとの報せが...。

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

すごく分かりやすいお話で、読者の望んだ結末を描いてくれています。ラップに詳しくなくても面白く読めました。そして嫌なやつを描くのが上手いてす。最後ラップでこてんぱんにするところはスカッとしました。後は作画を頑張ってください。絵力が上がれば、この作品の面白さはもっと伝わる筈です。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

作劇が端的で良かったです!シンプルなほど作者の熱量がより伝わりやすいため、題材にもマッチしていると感心しました。一方でキャラの魅力、描写にもっと気を配るべきだと感じます。うまい韻を踏むだけでは(漫画表現には即興性は無いので)バトルの才能が伝わりにくいです。例えば、〝童ならではのリリック〟と言う方向で才能を表現してはいかがでしょうか。そのためには前提となる〝童らしさ〟を読者に伝える必要があり、必然的にキャラが主体の漫画になります。ジャンプで戦うならそうあるべきです。冒頭と締めで漫画自体が韻を踏む構成は面白かったです!
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

シンプルな下剋上で気持ちよく読めました。キャラの仕草&配信チャット欄のおかげで今どういう状況か分かりやすいし、勝利に向けてボルテージがどんどん上がって行ったのもよかった。ニトロボーイに更なるハッタリやキャラ付けがあっても面白かったと思います。
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

ラップ中の演出に、独自のアイディアを込めて見せるサービス精神は高評価。「ラップ」そのものではなく、「ラッパー」に魅力、面白味、凄味のあるキャラクターを描くことに焦点をあてた物語を見たかった。いつでも「人物」以上に、読者の目を引くものはありません。

編集部講評

ラップのシーンに面白さとセンスが詰まっていました。また、主人公がいじめっ子をスカッと倒す展開も気持ち良かったです。絵が不安定なので、キャラの顔を描く、構図で見せるといった意識を持つとより魅力的な作品が作れると思います。

家賃3万、幽霊付き

家賃3万、幽霊付き

山盛おやさい

「人といるより幽霊といる方がずっと楽だ」大学生の八乃路の住む部屋には幽霊のサチコがいる。彼女だけが話し相手になってくれる存在だ。しかし八乃路が投稿した写真をきっかけに平穏な日々に陰り始める...。

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

ゾクゾクChの男の人がリアルに恐ろしかったです。幽霊より恐ろしい。設定がまだ荒いのでもう少し突き詰めて考えて欲しいです。主人公やさちこが何がしたいのか、もっと心情を掘り下げて描いてほしいと思います。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

八乃路とサチコの関係性が可愛らしくて良かったです!二人のこれからに期待の膨らむ題材でした。一方で、作中で起こる出来事が(ファンタジックな設定に比べて)物足りなく感じます。些細な出来事でも、登場人物にとってそれが切実である事が読者に伝われば、大きな作劇には出来ますが、短編だと難しいです。解決策は「登場人物にとっての切実さを読者としっかり共有する」か「出来事自体を、誰でも切実に感じられるくらいの大事件にする」か。いずれにしろ、登場人物の必死さに読者も共感できているか、が鍵になるので、そこを大事にしてみてはいかがでしょうか。
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

洗濯機などを駆使した幽霊のいじり方がとても面白かったです。前半でサチコが暴走しそうになるシーンを更に印象的に描けると、後半がよりヒヤヒヤできそう。敵の迷惑な来訪者を(適度なライトさで)もっと酷い目に遭わせると因果応報感が増して気持ちいいかも?
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

主人公と幽霊のかけあいは面白く読めました。ただ短編としては、抑揚が乏しく感じられてしまいました。物語を構成する各要素を、もっとパワーアップしてくれると、読後の満足感を高められたと思います。

編集部講評

主人公と幽霊の2人の関係性が好ましく、羨ましく思えるようなシチュエーションを作れているのが良かったです。幽霊だからこその展開や仕掛けを作って、読者に楽しみを提供できると、テーマに沿った良作品になると思います。

有望作品 賞金1万円

うっかり妖怪になっちゃった

白蘭

霊媒師?タクトくん

kirayu

矛盾の隠

ツキイチ

受賞作品

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

多種多様な作品があり、とても面白かったです。キャラクターの心情の描写が素晴らしかったり、独自の世界観がありつつも読者の見たいシーンを見せてくれたり、読者を意識して描いてる作品が多くありました。逆に作画が課題な作品もあり。でも絵は描けば描くほど上手くなると思うので、頑張ってください。今後に期待しております。
賀来ゆうじ 先生

賀来ゆうじ 先生

どの作品にも共通して、シンプルで伝わりやすい表現だったのが良かったです。伝わりやすさは、一見地味ですがそれだけで武器になる大事な要素だと思います。縦読み漫画というメディアにも適していると感じました。改めて、僕自身も学ばせて頂きました。一方、どの作品にも共通する課題として、リアリティに対する気配りがもっと必要だと感じました。この場合のリアリティとは、単に写実性ではなく、創作に真実味を与える「説得力」のことです。作品の核や本題を優先するあまり、心理導線や状況構築を端折ると、説得力が失われ作品全体が絵空事に感じてしまいます。作品を読者と無関係な創作物にしない為に、本題の周辺の描写にこそ気を配ってみて下さい。同じテーマ同じ作劇であっても、感動が大きくなると思います。
附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

今までのジャンプTOON AWARDで、最も審査が難しい回だったように思います。何故ならどの漫画もそれぞれの武器が明確にあり、それらに相対的な点数をつけるのが非常に大変だったからです。ですので「いとも簡単に思い出せるキャラや場面があったか」を軸に細かい点数をつけていきました。 その中でも「AI彼女」は、「1人目のヒロインだけでも魅力的なのに、他のヒロインがこの後3人も4人も出てくんの!?」というワクワク感も込みで最高得点をつけさせて頂きました。他にもキャラ部門では「門番”ギルさん”」、演出部門では「魔物の子の育て方」も飛び抜けてた印象でした。 面白い漫画を読ませて頂き、ありがとうございました!
編集長 浅田貴典

浅田貴典 編集長

今回も、将来が楽しみな作家さんに、賞を出すことが出来たことを嬉しく思います。 第1回、第2回のジャンプTOON AWARD受賞作家が、年末に複数、連載を開始します。ジャンプTOONは個人の作家の才能を、世に送り出すことに全力を尽くします。次回の応募も期待してます!

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