海に溶ける墨色
遊泳ピカ
人々は彩りを求めているーー。コンクールの書道部門、絵画部門で金賞同士の宇津木颯と天羽かさね。宇津木の墨一色でシンプルな書道の作品は、地味だと揶揄されてなかなか理解してもらえない。一方で絵画金賞を獲った天羽は、特徴的な色使いの作品で周囲から注目を集めていた。ところが何でも出来て気丈そうに見える天羽には、「色」に関する秘密があって…?異なる孤独を抱えた少年少女の邂逅を描く、瑞々しい青春ジュブナイル。
いしかわえみ 先生
爽やかな絵柄で読ませる力があり、最後まで勢いがありました。ただ、気になったのは主人公で、書道を愛する人間という設定なのに作品が凄く見えないので説得力に乏しく感じました。彼の魅力に関わるとても大事な部分なので疎かにしてほしくなかったです。
附田祐斗 先生
主役2人のキャラ設定が、ストーリー全体を通して活きてるのがとても良いと思いました。1番の見せ場にも「色」が複数の意味合いで絡んでいて感動。表情に作者の趣向とこだわりを感じます。ラストシーンへの前振りがもう一つあっても良かったかも。
ONE 先生
色が見えない症状と世界に彩りが宿る変化をカラーとモノクロの演出で分けたアイデアが良い。
浅田貴典 編集長
キャラクター、テーマ、ストーリー、演出力、青春物として過不足無い読み切りに仕上がっていると思います。特に印象深いシーンを作ろうとする姿勢が素晴らしいです。キャラクターの決めの絵を魅力的に描くこと、ここを特にレベルアップ出来ると、将来に期待が高まります。
編集部講評
カラーもモノクロも表現できるタテマンガという媒体の特徴を存分に活かした、見事な構成の作品でした。類型的にとどまらない、そのキャラらしい言動や思考をもう少し意識してみるとより良くなると思います。